こんばんは、院長の村上です。
今回は2ヶ月から接種が始まる「ロタウイルスワクチン」について、予防できる感染症やワクチンの効果、接種時期などについてご紹介します。
・ロタウイルス腸炎とは
ロタウイルスというウイルスが原因となるウイルス性胃腸炎の一種です。
冬に赤ちゃん~幼児の間で流行します。
白っぽい下痢が頻回にでるのが特徴です。
かつては冬になるとロタウイルス腸炎、ノロウイルス腸炎で冬になるとたくさんのお子さんが入院していましたが、ロタウイルスワクチンが導入されてから劇的に減少しました。
・ワクチンの効果
すべてのロタウイルス胃腸炎の約80%を予防し、重症に限ると約95%を予防することができます。
ロタウイルスワクチンは現在2種類(ロタリックス、ロタテック)の飲むタイプのワクチンが流通しており、接種回数が異なります。
・接種時期 ロタリックス、ロタテックとも初回のワクチン接種は生後6週間から開始することができます。 その後4週間の間隔をあけてロタリックスは合計2回、ロタテックは合計3回接種を行います。 またどちらのワクチンも接種を終えるべき時期が決められており、その時期を超えると接種ができません。 また途中からワクチンの種類を変更することはできません(ロタリックス → ロタテックなど)。
●ロタリックスの標準スケジュール 1回目 生後2か月 2回目 初回から1か月後(生後24週までに接種を終了する) ●ロタテックの標準スケジュール 1回目 生後2か月 2回目 初回から4週あけて 3回目 2回目から4週あけて(生後32週までに接種を終了する)
・ワクチンの副反応 ワクチン接種後に軽い胃腸炎症状が5%未満のお子さんで出ることがありますが、これはほかっておいても大丈夫です。 また数万人に1人という低い頻度ではありますが、接種後に腸重積という病気を引き起こすことがあります。 腸重積とは小腸の一部が大腸にはまりこんで抜けなくなってしまう病気です。 激しい腹痛、嘔吐、血便などの症状で発症します。 治療が遅れると腸が壊死してしまい手術が必要になることがあります。 大きくなってからワクチン接種を行うと腸重積を合併しやすいといわれているため、接種を終了すべき時期が決められています。
ご不明な点があればお気軽にご相談ください。
ペンギン先生
冬場に流行るロタウイルス腸炎を予防するためのワクチンだよ。
接種が遅くなると、腸重積を起こすことがあるから、なるべく早く接種してね。
接種が遅くなると、腸重積を起こすことがあるから、なるべく早く接種してね。