新生児黄疸について

こんばんは、院長の村上です。
みなさんは「新生児黄疸」という病気を知っていますか？

生まれたばかりの赤ちゃんの体には、ビリルビンという皮膚の黄色の元になる色素が大人よりもずっと多く含まれています。
そのため黄色っぽい皮膚の色をしており、これを「生理的黄疸」と呼びます。

赤ちゃんのビリルビンの量が病的に増えてしまった状態を「新生児黄疸（病的黄疸」と呼び、治療が必要になってきます。

今回はこの新生児黄疸についてご紹介したいと思います。

・生理的黄疸とは？
黄疸とは赤血球のなかに含まれるビリルビンという黄色っぽい色の物質が皮膚や目などに貯まるため、皮膚や白目が黄色っぽく見える状態です。

もともと赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいるときに、大人に比べてたくさんの赤血球を持っています。
そのため生まれたばかりの赤ちゃんは全体的に赤っぽい色をしており「赤ちゃん」と呼ばれます。
赤ちゃんの赤血球はお母さんのお腹の外の環境で生きていくのには多すぎるためどんどん壊されていきます。
赤血球が壊される際にビリルビンが赤血球から放出され、それが赤ちゃんの体の中に貯まっていきます。
そのため出生後2-3日で黄疸が出現し、生後1週間ごろをピークに2週間くらいで徐々に改善していきます。

これを「生理的黄疸」と呼びます。

・新生児黄疸とは？

正常の赤ちゃんでも上記のような理由で多かれ少なかれ黄疸は発生しますが、中には普通の赤ちゃんと比べて異常に早いタイミングで黄疸が発生したり、異常に強い黄疸が発生することがあり、「新生児黄疸（病的黄疸）」と呼びます。

ビリルビンの値が高くなりすぎると、脳にダメージが出てしまうことがあり、場合によっては麻痺などの後遺症が残ることがあります。

・治療は？

光線療法といって、特殊な波長の光線を皮膚にあてる治療を行います。
数日間この治療を行うことで、ほとんどの赤ちゃんがよくなります。

ただし、新生児黄疸の子の中に「胆道閉鎖症」など別の重篤な病気が隠れていることがあり注意が必要です。（胆道閉鎖症について）

・母乳性黄疸

母乳だけで育児を行っている赤ちゃんの一部に黄疸が1か月以上持続することがあります。
基本的には特別な治療は必要なく経過観察で問題ありませんが、なかには先天性胆道閉鎖症などの病気が隠れていることがありますので、1か月健診の際にチェックしてもらうようにしましょう。

ご不明な点があればお気軽にご相談ください。

ペンギン先生

ビリルビンという皮膚の黄色の元になる物質が、赤ちゃんに異常に溜まってしまう病気だよ。
特殊な光を当てて治療するよ。
「胆道閉鎖症」などの重篤な病気が隠れていることがあるから注意が必要だよ。