こんばんは、院長の村上です。
季節の変わり目で「喘息発作」が起きやすい季節になってきました。
喘息持ちの子たちは発作をおこしていませんでしょうか?
今回は子どもの代表的なアレルギー疾患である「気管支喘息」についてご紹介させていただきます。
・気管支喘息とは? 発作性に呼吸が苦しくなる「気管支喘息発作」を繰り返す病気です。 発作の際には、空気の通り道である気管支が細くなり、細くなった気管支を空気が通る際に「ひゅーひゅー」「ぜーぜー」という音(喘鳴)が聞こえることが特徴です。
・症状は? 「ひゅーひゅー」「ぜーぜー」という喘鳴を伴う呼吸困難が主な症状です。 呼吸困難が生じると食事がとれなくなったり眠れなくなったり、話すことができなくなったりします。 喘鳴は主に息を吐くときに聞こえます。症状がひどいときは、息を吸うときにも聞こえることがありますが、息を吸うときだけに音が聞こえる場合は別の病気の可能性があります。 また、気管支炎など感染症を契機に喘息発作が起こる場合も多く、その場合は咳・鼻水・発熱などの症状がみられることもあります。
・原因は? 喘息のお子さんでは空気の通り道である気道に慢性的にアレルギー性の炎症が起こっていて、普通のお子さんよりも空気の通り道が細く、刺激に敏感になっています ホコリ・ダニ・カビ・花粉・ペットの毛などの吸入アレルゲンや、ウイルス感染・気温の変化などのストレスにさらされた際に、急激なアレルギー反応を起こし気道がキュッと狭くなってしまうと発作が起こります。 狭くなってしまった気道を空気が通る時に、ちょうど笛がなるように「ひゅーひゅー」といった音がでます。 また何度も発作を繰り返すうちに気道がますます過敏になり、より発作をおこしやすくなっていきます。
・喘息の診断について 0-1歳くらいの赤ちゃんの場合、ウイルスや細菌の感染を契機に喘息に似た症状を起こす「喘息性気管支炎」にかかることが良くあり、風邪をひくたびに「ぜーぜー」してしまう子が良くいます。 ただし、この時期のぜーぜーはアレルギーと関係なく、体が小さく気管支が細いことが原因で起こることも多いです。 そのため喘息と診断せず、慎重に経過をみさせていただくもありますし、症状がひどいお子さんでは喘息の治療を開始することもあります。 多くのお子さんは2-3歳と成長するに従って気管支も太くなり、喘息性気管支炎にかかる頻度は減っていきます。 この時期になっても、風邪をひくたびに「ぜーぜー」してしまうお子さんの場合は、喘息と診断して治療をはじめることが多いです。 また小学生以上のお子さんでは気道のアレルギー性炎症の程度を調べる呼気NO検査(くわしくはこちら)の結果も参考に喘息の診断を行います。
・治療は? 喘息の治療は症状が出たとき(発作時)の治療と症状が出ていないとき(慢性期)の予防治療に分けられます。 もちろん発作時の治療も大事ですが、発作を起こさないようにする慢性期の予防治療が非常に大事です。 発作時は気管支を広げる薬(気管支拡張薬)の吸入を行います。 何度か気管支拡張薬の吸入を行っても症状が改善しない場合は入院が必要になることもあります。 慢性期には気管のアレルギー性炎症を抑える治療(ステロイド吸入やロイコトリエン拮抗薬)をおうちで行っていきます。 慢性期にはとくに症状がないため治療をさぼりがちですが、必ず内服、吸入をきちんとしましょう。 慢性期の治療は毎日ずっと続けないと意味がありません。
・ご家庭でのケアについて
空気中にただようダニ・ハウスダスト・花粉などの吸入アレルゲンは喘息発作の原因となります。
部屋はこまめに掃除をしたり、布団やクッションのダニ対策をしっかり行いましょう。
可能ならカーペットやラグはダニやカビが増えやすいため、はずしたほうが良いです。
またタバコも喘息の原因となります。
ご不明な点があれがお気軽にご相談ください。
ペンギン先生
突然呼吸が苦しくなる「喘息発作」を繰り返す病気だよ。
発作の時は気管支を広げる吸入をするよ。
発作を起こさないようにする治療がとても大事だよ。
発作の時は気管支を広げる吸入をするよ。
発作を起こさないようにする治療がとても大事だよ。