こんばんは、院長の村上です。
みなさん「伝染性単核球症(EBウイルス感染症)」という病気はご存知でしょうか?
あまり聞き慣れない病気だとは思いますが、子どもでも時々みかける、わりとメジャーな病気です。
今回はこの伝染性単核球症についてご紹介させていただきます。
・伝染性単核球症(EBウイルス感染症)とは? 「EBウイルス」というウイルスが原因となるウイルス感染症の一種です。 唾液を介して感染することが多いので欧米ではkissing disease(キス病)と呼ばれることもあります。 赤ちゃんの頃に感染すると、不顕性感染(なんの症状もなく感染に気付かれない状態)のことも多いです。
・症状は? 発熱、のどの痛み、首のリンパ節腫脹などの症状が一般的です。 全身に赤いぶつぶつができることもあります。 発熱期間は5-7日程度と比較的長く、なかなか熱が下がらなくて入院が必要になることもあります。
・どうやって感染するの?
基本的には食べ物の口移しや飲み物の回し飲み、キス等、唾液を介して感染します。
そのため爆発的に流行することは基本的にありません。
・診断は?
インフルエンザ等で使われるような迅速診断キットはありません。
血液検査で肝臓の機能や白血球の形に異常がでることがあり、上記のような症状にこれらの検査所見を認めると、かなりこの病気の可能性が高いです。
ただし確定診断のためには、血液中の抗体価を調べる必要があり、結果が出るまでに1週間くらい時間がかかります。
・治療は? 特効薬はありません。 基本的には自分の体の免疫力で治すしかありません。 熱がなかなか下がらなかったり、肝臓の機能が悪いときは入院が必要になることがあります。
・予防法は?
残念ながらワクチンは開発されていません。
唾液を介して感染するので、できる範囲で口移しや回し飲み等を気を付けるよいと思います。
・登園・登校の基準は?
熱が下がって元気があれば、登園・登校してもらって大丈夫です。
ご不明な点があればお気軽にご相談ください。
ペンギン先生
長引く熱とのどの痛み、リンパ節腫脹がよくある症状だよ!
確定診断には時間がかかるよ!
確定診断には時間がかかるよ!