ロタウイルス胃腸炎について

こんばんは、院長の村上です。

皆さんは「ロタウイルス性胃腸炎」をご存知でしょうか?

ロタウイルス性胃腸炎は冬場に乳児~幼児に爆発的に流行するウイルス性胃腸炎です。
私が小児科医になりたての頃はまだロタウイルスワクチンが普及していなかったこともあり、冬場になるとロタウイルス胃腸炎が大流行していた記憶があります。
とうわけで今回は、このロタウイルス胃腸炎についてご紹介したいと思います。

・ロタウイルス胃腸炎とは?

ロタウイルスの感染が原因の胃腸炎です。非常に感染力が強く保育園・幼稚園で流行したり、一人が感染すると家族全員が胃腸炎になってしまうことが良くあります。
・症状は?

急激な嘔吐、下痢、発熱が主な症状です。
特に下痢がひどくなりやすく、しゃーしゃーの下痢がオムツからあふれるくらい出ることがあります。
典型的には白っぽくて、酸っぱいような匂いが便が出ると言われていますが、あんまり目立たない子も多いです。
下痢が治るまでの期間は個人差がありますが、だいたい1週間くらいで良くなります。
・どうやって感染するの?

基本的には接触感染で、ウイルスがついているところを手で触って口にもっていくことで口から感染します。非常に少ない量のウイルスでも感染します。
また嘔吐物やうんちが乾燥すると、そこからウイルスが空気中に漂い、その漂っているウイルスが口に入ることでも感染します。
そのため嘔吐物やうんちの処理はしっかりする必要があります。
・流行しやすい季節は?

冬場に流行ることが多いです。
個人的な印象としては、インフルエンザが終わったら、次はロタみたいなイメージがあります。
・診断は?

うんちを用いた迅速診断キットがあり、30分程度で90%以上の人が診断できます。
・治療は?

ウイルス感染なので、特効薬はありません。
整腸剤を使いながら、脱水にならないようにしっかり水分補給をしましょう。
(胃腸炎の際の家庭での対応について参照
・予防法は?

ロタウイルスはワクチンで予防することができます。
珍しい飲むタイプのワクチンです。
ワクチン接種をしてもロタウイルス性胃腸炎にかかることはありますが、症状が軽くてすみます。
実際ワクチンが普及してから、点滴や入院が必要になるロタウイルス性胃腸炎の子がかなり減った印象があります。

接種は生後2か月から行えます。
高月齢になると副作用で腸重積という病気を起こしやすくなることが知られているため、6か月くらいまでに終わるようにしましょう。
・登園、登校の基準は?

症状がおさまり、普段の食事がとれるようであれば、登園・登校してもらって大丈夫です。

ご不明な点があればお気軽にご相談ください。

ペンギン先生
ペンギン先生
冬場にで流行るウイルス性胃腸炎だよ。
非常に感染力が強いため、うんちの処理はしっかりやろう!
ワクチンで予防できるので、早めに接種してね。

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