扁桃線の手術について

こんばんは、院長の村上です。

外来をしていると、時々「扁桃腺が大きい気がするのですが、手術したほうが良いでしょうか?」といった相談を受けることがあります。

かつては扁桃腺が大きい子を、ただ扁桃腺が大きいだけで手術で取ることがよく行われていました。
しかし最近では、扁桃腺がただ大きいだけでは手術はせず、何度も感染を繰り返す子や日常生活に影響が出ている子に限って手術をするようになってきています。
扁桃腺を取る手術はそれほど時間がかかる手術ではありませんが、口の中を触る必要あるため全身麻酔下で手術を行う必要があります。とくに子どもでは、全身麻酔を行うことによるリスク(人工呼吸や全身麻酔による合併症)を慎重に考える必要があるためです。

今回は「どんな時に扁桃腺の手術を行うか?」についてご紹介したいと思います。

①扁桃炎を繰り返す。

急性扁桃炎は、扁桃腺への細菌の感染が原因となり、高熱やのどの痛み、扁桃の発赤・腫大・白苔(白い膿のようなもの)付着を特徴とする病気です。基本的には抗生剤の内服で治ります。

この急性扁桃炎を1年に3-4回以上繰り返すような場合は、習慣性扁桃炎といわれ、手術で扁桃を取ってしまうと改善する可能性があります。
かくいう私も、扁桃炎を年に何度も繰り返すため、大人になってから手術してもらいました。
たいしたことはないだろうと油断していたら、手術後ののどの痛みがひどくて、一週間ご飯が食べれず退院するときには3kg痩せていました。

ただし注意点として、扁桃を取ったら扁桃炎にはならなくなりますが、咽頭炎(普通の喉風邪)には普通になります。
②睡眠時無呼吸症候群を起こしている。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは眠っている間に無呼吸(10秒以上呼吸が止まる状態)が反復する病気です。巷では肥満で、首の太い、30-60代の男性がなりやすいとされていますが、実は子供でもなります。

その原因の一つとして扁桃腺が大きいことが挙げられます。

子供の場合は大人と違って、日中の居眠りなどは目立たず、学習障害や注意散漫、授業をちゃんと受けられないなどの症状が出ることが多いです。
扁桃腫大がこの睡眠時無呼吸症候群の原因となるような場合は手術の適応となることがあります。

疑わしい場合は耳鼻科の先生にご紹介しますので、お気軽にご相談ください。

ペンギン先生
ペンギン先生
扁桃炎を繰り返すときや睡眠時無呼吸症候群の原因になっているときは手術適応だよ。

一覧に戻る