抗生剤について

こんばんは、院長の村上です。
皆さんは「抗生剤(抗菌薬)」についてご存知でしょうか?
抗生剤は主に細菌をやっつけるための薬で、当院の外来でもしばしば処方しています。
今回はこの抗生剤とは「どんな薬なのか?」「どのような点に気を付ければ良いか?」など簡単にご紹介します。

・抗生剤とは?

多くの子どもがかかる感染症には、たくさんの原因となる病原菌があります。
大きく分けて「ウイルスによるもの」「細菌によるもの」「真菌(かび)によるもの」の3つに大きく分けられます。

抗生剤はこれらのうち細菌をやっつけるための薬です。逆にいうと細菌以外が原因の感染症(いわゆる風邪など)には全く効きません。
またひとくちに細菌といってもたくさんの種類があるため、それぞれの細菌に適切な薬を選ぶ必要があります。
・抗生剤が効く病気は?

「溶連菌感染症」「とびひ」「マイコプラズマ感染症」「細菌性気管支炎」「細菌性肺炎」「百日咳」「細菌性腸炎」「中耳炎」「副鼻腔炎(蓄膿症)」「尿路感染症」 等

このあたりが小児科の外来でよく見かける病気で抗生剤が効く病気になります。
これらの病気が疑われるような場合にも抗生剤を処方することがあります。

逆に、「ウイルス性上気道炎(いわゆる風邪)」「インフルエンザ」「RSウイルス感染症」「ウイルス性胃腸炎(ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス等)」「突発性発疹」「風疹」「はしか」「おたふくかぜ」「手足口病」「ヘルパンギーナ」「プール熱(咽頭結膜熱)」 等

のウイルス感染症にはまったく効きません。
ですので、症状や経過からウイルス性感染症が疑われるような時には、原則抗生剤を処方していません。
・治ったら飲まなくても良い?

必ず飲み切りましょう!
病気の種類によっては、この期間はかならず飲んでくださいと決まっている期間(溶連菌では5-7日等)があります。
またそうでなくても、途中でやめてしまうと治療が不十分となり、症状がぶり返してしまうことがあります。
・副作用は?

よくある副作用は下痢です。
これは抗生剤が腸のなかのいわゆる善玉菌までやっつけてしまうためです。
下痢が治るのに2-3週間かかってしまう子もいます。
なるべく不必要な抗生剤処方は控えるように心がけています。

ご不明な点があればお気軽にご相談ください。

ペンギン先生
ペンギン先生
抗生剤は「細菌」をやっつける薬で、「ウイルス」には効かないよ。
抗生剤はかならず飲みきってね。
抗生剤を飲むと下痢することがあるよ。

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