RSウイルス感染症について

こんばんは、院長の村上です。

急に寒くなってきて体調を崩す子どもが増えてきています。
子どもはもちろんですが、大人も体調には気をつけてください。

ところで皆さんはRSウイルス感染症という病気をご存知でしょうか?
風邪の仲間ですが、小さな赤ちゃんがかかると重症化しやすいため注意が必要な病気です。
先週くらいから、ちょこちょこ流行りだしている印象があり、この機会にRSウイルス感染症について簡単にご紹介したいと思います。

・RSウイルス感染症とは?
RSウイルスというウイルスの感染によっておこる呼吸器感染症です。
2歳までにほとんどすべての子どもが1回は感染すると言われています。
・症状は?
人によってひどさは異なりますが、普通の風邪と同様、発熱、咳、鼻水が出ます。症状だけで普通の風邪と見分けるのは難しいですが、水っ鼻がたくさん出ると言われています。

3か月未満の赤ちゃんがかかると症状がひどくなりやすく、喘息に似たぜーぜー、呼吸困難が出現し、入院が必要になることがあります。ですので3か月未満で鼻水がすごく多い子は要注意です。

1か月未満の赤ちゃん、心臓の病気を持っていたり、小さく生まれた子は特に要注意で、突然死の報告もあります。
1歳以上の子どもに関しては、重症化するリスクはそれほど高くなく、普通の風邪と同じ対応で大丈夫です。
・どうやって感染するの?
インフルエンザ等と同じ飛沫感染(くしゃみや咳)で感染します。予防にはマスクが有効です。
・流行しやすい季節は?
かつては冬に流行ると言われていましたが、最近ではほとんど一年中みられます。
・診断は?
鼻水を用いた迅速診断キットがあり、30分程度で90%以上の人が診断できます。

ただしこの検査は、原則1歳未満の子どもにしか行いません。
というのは、先程もご紹介したように、RSウイルス感染症は1歳未満の乳児(特に3ヶ月未満)がかかると重症化のリスクがあり注意が必要です。

しかし1歳以上の子どもにとっては、普通の風邪とほとんど変わらないため、RSウイルス感染症と確定診断することにあまり意味がありません。
そういった事情があり、1歳以上の子どもへのRSウイルス迅速検査は、保険診療で認められていません。
・治療は?
ウイルス感染なので、特効薬はありません。
咳止め、鼻水止めの薬を使いながら、自分の体の免疫力で治すしかありません。

喘息のようなぜーぜーや呼吸困難があるときは、気管支(空気の通り道)を広げる吸入を行います。
症状のひどいときは、連日受診してもらったり、朝晩吸入に通ってもらったりすることもあります。
・予防法は?
現在ワクチンは開発されていません。
特に症状が重篤になりやすい子(小さく生まれた子や心臓の病気を持っている子)にはシナジスという薬を使います。
しかし非常に高い薬なので、普通の子には使うことはできません。
普通の風邪と同様にマスクや、手洗いうがいが有効です。
・登園、登校の基準は?
熱やひどい咳がなければ、マスクをして登園・登校してもらって大丈夫です。
ご不明な点があればお気軽にご相談ください。

 

ペンギン先生
ペンギン先生
1歳未満の赤ちゃん(特に3ヶ月未満)は注意が必要だよ!
1歳以上の子どもは、普通の風邪と考えてもらって大丈夫だよ!

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