熱性けいれんについて

こんばんは、院長の村上です。

皆さんは「熱性けいれん」という病気をご存知でしょうか?
お子さんが熱を出した時にけいれんしてしまう病気です。
今回はこの熱性けいれんについて簡単にご紹介させていただきます。

・熱性けいれんとは?

発熱が原因となっておこるけいれんです。
熱の原因に関係なく、体温の上昇が引き金となって起こり、特に熱の上りはじめに起こることが多いです。

9-12か月のお子さんが突発性発疹などにかかって、はじめて熱を出して、けいれんすることが良くあります。

多くのお子さんは1回だけでけいれんが終わりますが、30%程度のお子さんが熱を出すたびにけいれんを繰り返すと言われています。
またお父さん、お母さんが子供のころに熱性けいれんを起こしたことがあると、熱性けいれんを起こしやすい傾向があります。
・症状は?

目が上転(白目をむいて)したり、焦点があわない感じになり、両手足をぐーっとつっぱったり、がくがくさせたりします。基本的には右手足も左手足も同じように症状がでます。
また息を止めて唇が紫色になったり、泡を吹いたりすることもあります。

このような症状が典型的には数分以内に収まり、その後数分から数時間眠ってしまいます。
その後目が覚めると普段どおりに戻っています。
・おうちでけいれんしてしまったら?

通常の熱性けいれんであれば、けいれんが原因で命にかかわることはありません。

ほとんどが数分程度でとまるので、落ち着いてどのようなけいれんをしていたか(左右対称だったか?目はどうなっていたか?手足はがくがくしていたか、それともぐーっとつっぱていたか?等)をしっかり観察するか、スマホなどで動画を撮ってもらってもOKです。

病院を受診されたときには、けいれんは止まっていることがほとんどなので、実際けいれんした時の状況がわかると、医師としては非常に助かります。

おうちでけいれんしてしまった時の対応はこちらの記事も参考にしてください。
・治療は?

熱性けいれんを繰り返すお子さんには、発熱時に使用するけいれん止めの坐薬を処方することがあります。

基本的には熱性けいれんが原因で発達が遅れたり、将来の知能に影響したりすることはありませんので、日常的にけいれん止めのお薬を処方することはありません。
・注意が必要なけいれんは?

①5分以上続くけいれん
②左右非対称のけいれん
③短時間にけいれんを繰り返す
④けいれんした後、いつまでたっても意識がもどらない

これらの症状のいずれかが当てはまる場合は、通常の熱性けいれんではない可能性があります。
大至急病院を受診してください。

ご不明な点があればお気軽にご相談ください。

ペンギン先生
ペンギン先生
体温の上昇が引き金になって起こるけいれんだよ。
ほとんどが数分程度でおさまるよ。
余裕があればけいれんの様子をスマホで撮っておいてね。

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