麻疹(はしか)について

こんばんは、院長の村上です。

みなさん数年前に愛知県で「麻疹(はしか)」の流行があったのは覚えていますか?
連日ニュースで報道され「いったいいつになったら、この流行は終わるの?」と不安に思っていたお母さんも多いのではないでしょうか?

今回は、この麻疹について簡単にご紹介したいと思います。

・麻疹(はしか)とは?麻疹ウイルス」というウイルスが原因となるウイルス感染症の一種です。

ウイルス感染症の中でも飛沫感染(せきやくしゃみ)だけでなく、空気感染(空中にただよっているウイルス)でも感染するため、感染力が非常に強い疾患です。
すれ違うだけでも感染するといわれています。

定期のワクチン接種により、患者数は減ってきています。
しかし今の20代くらいの若い人たちの中には、子供のころ麻疹にかかっておらず、またワクチンを打っていないか、打っても1回しか打っていない人がたくさんいます。
このような人たちは麻疹に対する抵抗力が弱いため、この世代でときどき流行がみられることが社会問題になっています。
・症状は?

麻疹の患者さんに接触してから10日後くらいに発熱、せき、鼻水などの症状で発症します。
熱は数日でいったん下がりますが、再度発熱と全身のぶつぶつが出現します。
発熱期間は長く、1週間以上熱がつづくお子さんもいます。
・どうやって感染するの?

空気中を漂うウイルスを吸い込むことで感染します(空気感染)。
ウイルスが非常に小さいためマスクで予防するのは困難で、ワクチン接種が唯一の予防法です。
・診断は?

インフルエンザ等で使われるような迅速診断キットはありません。
臨床症状と周囲の流行状況をもとに判断します。
確定診断のためには血液中の抗体価を調べる必要がありますが、結果が出るまで時間がかかります。
・合併症は?

はしかにかかった人の1000人に1人くらいの割合で脳炎を合併することがあります。
命が助かっても重い後遺症が残る場合もあります。

またはしかに感染してから5-10年後に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という同じく脳の病気を合併することがあります。
・治療は?

特効薬はありません。
基本的には自分の体の免疫力で治すしかありません。
熱がなかなか下がらなかったり、ぐったりするようなときは入院が必要な場合もあります。
・予防法は?

1歳以上でMRワクチン(麻疹風疹ワクチン)が打てます。
非常に怖い病気なので、かならず2回打つようにしましょう。
・登園・登校の基準は?

熱が下がってから3日間経過して元気があれば、登園・登校しても大丈夫です。
治癒証明書が必要になると思いますので、登園・登校の前に一度受診をお願いします。

ご不明な点があればお気軽にご相談ください。

ペンギン先生
ペンギン先生
熱が長引くことが多いよ!
合併症がいろいろあり注意が必要だよ!
忘れずにワクチン接種を受けよう!

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