クループ症候群について

こんばんは、院長の村上です。

皆さんはオットセイの鳴き声を聞いたことはありますか?
「オウッオウッ」という特徴的な力強い声で鳴きます。

このオットセイの鳴き声に似た、特徴的な咳がでる病気があります。
今回はそんな「クループ症候群」という病気についてご紹介します。

・クループ症候群とは?

パラインフルエンザウイルス等のウイルスが、のどの奥の喉頭という空気の通り道に感染して起こる病気です。
喉頭に炎症が起こり空気の通り道が細くなってしまうため、特徴的な咳や呼吸が苦しい等の症状がでます。
・症状は?

普通の風邪と異なり、オットセイが鳴いているような(オウッオウッ)、または犬が鳴いているような(ケンケン)といった特徴的な咳がでます。
ひどいお子さんでは呼吸が苦しくなることもあり注意が必要です。

また発熱、のどの痛みも一緒に出ることが多いです。
いつもの咳と違うなと思う時は、スマホで動画を撮っておいてもらえると、診断の大きな助けになります。
・治療は?

ウイルスの感染が原因となるので特効薬はありません。
喉頭の炎症を鎮めて、空気の通り道を広げるような吸入を行います。
何度か吸入をしてもぜんぜん改善しないような時は、入院が必要になることもあります。

また症状は夜になると悪化するため、症状が悪化して呼吸が苦しくなるような時は、夜間でもすぐに受診したほうが良いです。
・こんな症状が出たら気を付けて!

クループ症候群と間違えやすい、より重症の病気として急性喉頭蓋炎という病気があります。

突然の高熱、唾を飲み込めずにだらだら口から流してしまうくらいの喉の痛み、急激に進行する呼吸困難などの症状がでて、場合によっては空気の通り道が完全に閉じてしまって亡くなってしまうことがあります。
このような症状が出たら、すぐに救急車を呼んでください。
・登園・登校の基準は?

とくに決まりはありません。
熱や特徴的な咳がおさまっているようであれば、マスクをして登園・登校してもらってかまいません。

ご不明な点があればお気軽にご相談ください。

ペンギン先生
ペンギン先生
オットセイみたいな咳が出るよ
夜になると酷くなるから注意してね。

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