発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)について

こんばんは、院長の村上です。

皆さんは「発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)」という病気をご存知でしょうか?

赤ちゃんが生まれつき股関節が外れやすくなっている状態です。
今回はこの発育性股関節形成不全について簡単にご紹介させていただきます。

・発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)とは?

股関節は太ももの骨(大腿骨)の先端の球状の部分(大腿骨頭)が骨盤の骨(腸骨)にある半球状の受け皿(臼蓋)にはまり込んだ構造をしています。

この大腿骨が臼蓋からはずれてしまったり、不安定になっている病気のことを発育性股関節形成不全と呼びます。
・原因は?

赤ちゃんはまだ関節が緩いので、大人に比べて脱臼しやすい状態になっています。
赤ちゃんの足はもともとカエルのように広がった形が正しい位置ですが、足を伸ばした位置でオムツをする、抱っこするなどの状態が続くと脱臼してしまうようです。

昔の日本では足を伸ばした状態で巻くタイプのおむつが良く使われおり、「脱臼大国」と呼ばれていましたが、足を開いた状態でつけるタイプのおむつが普及するにつれ、発育性股関節形成不全の患者さんが減ってきたという歴史的背景もあります。
・症状は?

赤ちゃんはまだ歩いたりしていないので、特別な症状はないことが多いです。
ほとんどのお子さんは1か月健診や3-4か月健診でみつかることが多く、この時期の健診をきちんと受けることが大事です。
・治療は?

リーメンビューゲルというバンドで赤ちゃんの足を開いた状態で保つようにします。
この治療でよくならない場合は手術が必要になることもあります。

ご不明な点があればお気軽にご相談ください。

ペンギン先生
ペンギン先生
赤ちゃんの股関節が脱臼しやすくなっている状態だよ。
赤ちゃんの足を伸ばした状態で固定しないようにね。

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