消化管アレルギー(新生児・乳児消化管アレルギー)について

こんばんは、院長の村上です。

皆さんは「消化管アレルギー(新生児・乳児消化管アレルギー)」という病気をご存知でしょうか?
生まれてすぐの赤ちゃんにミルクを飲ませると、ひどい下痢をおこす病気で、通常のミルクアレルギーとはまったく別の疾患です。

今回はこの新生児・乳児消化管アレルギーについてご紹介させていただきます。

消化管アレルギー(新生児・乳児消化管アレルギー)とは?

生まれて間もない赤ちゃんがミルクを開始した後に、下痢・嘔吐・血便等の症状が出現する病気です。ミルクに含まれるたんぱく質に対するアレルギー反応が原因となります。
・症状は?

原因となる食物(多くは粉ミルクですが、母乳が原因となることもある)を飲んで数時間から数日たってから、嘔吐や血便、ひどい下痢などの症状が出現します。
このようなお腹の症状が目立たず、体重が増えないことがきっかけで見つかることもあります。

いわゆる普通の食物アレルギーと違い、ミルクを飲んで30分以内に症状が出るようなことはありません。
そのため、なかなか気づかれないことも多いです。

ほとんどの子が生後1か月以内に発症します。
・診断は?

普通の食物アレルギーとは体の反応が異なるため、普通のアレルギー検査では診断できません。
「ALST(アレルゲン特異的リンパ球刺激試験)」という血液検査を行ったりすることもありますが、症状がはっきりしないことも多く、確定診断するのが非常に難しい病気です。
・治療は?

確定診断するのが難しい病気なので、消化管アレルギーが疑われる時点でアレルギー用のミルクを始めることが多いです。
アレルギー用のミルクにかえて症状が落ち着いてくるようなら、この病気の可能性が非常に高いと考えられます。

このように治療をはじめてみることで、診断に結びつけることを「診断的治療」といいます。

7割くらいの子が1歳までに、9割近い子が2歳までに良くなると言われています。
焦らずに経過をみていきましょう。

お気軽にご相談ください。

ペンギン先生
ペンギン先生
赤ちゃんがミルクを始めてしばらくたってから嘔吐やひどい下痢・血便をおこす病気だよ。
診断がむずかしいので、疑ったらアレルギー用のミルクをはじめるよ。

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